2010年9月20日月曜日

赤毛のアン~Anne Of Green Gables~9月19日(日)マチネ・メインキャスト編

小雨がパラパラと肌寒さを感じる19日日曜の札幌の朝。
すごく寒いという感じではなかったですが、
羽織るものが手放せなくなる季節の始まりです。
そんな、雨模様の札幌から、まだ夏の名残のある東京へひとッ飛び。
「赤毛のアン」を観るため、とんぼ返り遠征をしてまいりましタ。
半月前の9月上旬に来た時は、かなりの残暑で汗だくだったのに、
だいぶ過ごしやすさを感じる東京の空でした。

開幕してから、2週間が経った「赤毛のアン」。
どーしても観たいくって(4日後の遠征でアンを観る事になっているのにも関わらず、)ガマンできず、とんぼ返り遠征をすることとなった。
(無謀・・・)

観劇の感想をどこから書こうかと、帰りの飛行機の中でいろいろと考えながら乗っていましたが、全てを一つにまとめるには私の文才がドボしいしので、「メインキャスト編」と「アンサンブル編」の2つに分割してまとめることにします。
とりあえず「メインキャスト編」

(なまら長いっス)

その前に・・・
私、オハズカシイことに原作を全く読んだことがナイ。
なにしろ、モンゴメリーよりもコナン・ドイルばかり読んでいる、みんなと違う子供だったんです。
「赤毛のアン」との出会いは、1995年札幌JRシアターで上演されたアンが、生涯最初のアンとの出会いでした。
ただ、アンに関する知識ゼロだった当時の私の助けになったのが、いがらしゆみこさんの「キャンディ・キャンディ」。
キャンディとアンはよく似た境遇だったので、少し参考になった。
原作を読んでいれば・・・と今頃になって悔やむところでありんス。(汗)

なんか、前置き長くなった、すんまそん・・
ココからちゃんと書きます。



★アン・シャーリー/林 香純ちゃん★

私の行った19日から、香純ちゃん(以下、カスミン)はアンデビュー。
はるちゃんだろうナと予想をして自由劇場に入ったら、
「アン・シャーリー 林 香純」

ワタシ的に、「おっ!」

今回のアン、
はるちゃんアンとカスミンのアンどっちがきても良いと思っていたので、期待度はどちらのアンも高い。
はるちゃんアンを観てないので、想像、憶測でしかないけど、たぶん・・です。
はるちゃんのアンは「正統派」アンのように思われます。
孤児院でも、規律や言いつけはキチンと守る、お利巧なアンっぽいのでは・・(憶測で喋ってスイマセン)
それに対し、カスミンのアンは「天然素材」のアンではないだろうか??
今日、カスミンのアンを観ていてそう感じました。
おそらく、対照的なアンではないかな・・
カスミンのアンは終始、初々しくって小気味よいテンポで、サラサラとして「なんて気持ちのいいアンだろう・・」と感じます。
日下マシューとの掛け合いも、ケッコウ笑わせてくれた。(笑)
マシューが、マリラのもとにアンを連れた来た時のカスミンのアンの表情が、なんとも可愛いというか、愛らしいというか、ニコ~っと満面の笑み。
マリラが、「どういうこと!?男の子をお願いしたのに。女の子なんて力仕事できないでしょ!!」とマシューに文句を言ってしまう。
その時のアンの表情は見る見る悲し~い顔になっていっちゃうのヨ。
カスミン、なかなか表情豊かデス。
リンドさんに、「器量で貰われてきたのではナイ!ことだけは確かだと思ったわ! あはははははっっ」

「!!ブチっ」

っと、キレる(カンシャクを起こす)あたりなんて、私の笑いのツボに入ってしまい、爆笑をこらえるのに必死でした(笑)
ほんと、アブナク大口あけて、笑いそうでした。
クイーンズ学園行きが決まった時、嬉し涙がカスミンの頬をぬらし、ちょっと、ググっと来た。(涙)
ラストのマシューやマリラとの会話などは、「純真なアン」らしさもすごく伝わってきましタ。
カスミンが、また一歩前へ踏み出したナと思った。
プロデビューしたての松坂大輔(現在、メジャーリーグ、レッドソックス)を思い出します。
当時の大物打者、清原やイチロー相手に、少しも動じることなくスバズバ直球投げて勝負するみたいに、日下さんや木村さんの大先輩に囲まれながらも、気負いや緊張を全く感じさせない。
たいした女優さんデス。
私にはそー見えました。


★ステイシー先生・スローン夫人/五東由衣さん★

ものすごぉ~く久しぶりに由衣さんのステイシー先生を観ました。
2002年の全国公演以来デスよ。
由衣さんの良いところがいっぱいですね、やっぱり。
暖かくって、優しい歌声、包み込むようなふわりとしたメゾソプラノ。
いつ聞いても、どんな歌聞いても、「癒し」を与えてくれます。
ステイシー先生のような先生、現代にいるのかな?
勉強の教材は、教室の外にもいっぱいあるよ。
お作法は学校で勉強するものではなく、「健全な体に、健全な魂があれば自然に出てくる。」
「学問」じゃなく、「日常」から身につけるコトなのです。
こんな風に、子供たちに話す広い心をもった先生、今の世の中にいてほしい、いやいるはずです。
由衣さん演じるステイシー先生の歯切れのイイひと言ひと言が、アンや周りの子どもたちを引き付けます。
こんな先生、上司、なかなか出会えないですね。
それに、由衣さんの存在自体もカスミンや若手の俳優陣を生き生きとさせてくれます。
そして、思わずブっと噴出しそうになった一コマ。

これはステイシー先生ではなく、前半のスローン夫人役の時、由衣さんのアクションに噴出しそうになった。
ギルバートの「ニンジン!」に激怒したアンが石版でギルバートをボコっとやってしまい、その「出来事」が段々と、ワイドショーのネタのごとくであっという間にでかくなる。
その話題で持ちきりの夫人ボランティアの奥様方が、あーだこーだと、
ワーワー騒いでいるシーンでした。
A4サイズくらいだった石版が気が付けば、5倍くらいの石版になり、
「叩かれて石版が砕けた」が「おっきいな板で叩いたら、ギルバートの頭から血が!」さらに、「アタマが真っ二つ!ノウミソか見えた!!!」
ご夫人方特有の「ウワサ話三段活用」である。
「膨らみすぎだって・・」

その三段活用で膨らんだ「事件」を由衣さん演じるスローン夫人どーやって、説明したか・・。
アタマを叩かれ、パックリわれたって聞いたわ!それにアタマの中が見えたんですってよ」
この辺りの身振り手振りは、今までに赤毛のアンを見た人ならご記憶でしょう。
みんな、オーバーアクションです。
以前のアンでは、佐和由梨サン(当時は店員ルシラ役)がすんごいアクションでした。(笑えました。)
スローン夫人、大きな板を両手でおーきく作る。
アタマがパっくりも自分のオデコのあたりで両手で「パックリぃ[m:246]」
そこまでは良かった。
そのあと、その両手を自分の顔、ちょうど目の辺りまで一旦近づけて、
ビョぉ~んと引く・・
分かりにくいですね?(汗)
よーするに、「メダマも飛び出たのヨ!」っぽい動きだったんです。
あの動きには私も参りましタ。
「おわっ(笑)」
「ちょっと、スローンさんそれひどすぎ・・(笑)」
面白い由衣さんの一コマについつい笑わされました。


★★日下武史さんと木村不時子さん★★

もうこの2人は、舞台に出てきただけで、空気が変わります。
四季には欠かせない名優のお2人。
木村さんのマリラは、とても厳しく、厳格なマリラ像をクッキリと表現されています。
マリラは厳格なクリスチャンのようなので、信仰心や規律を重んじ、アンに対してもキツく叱ったり「学芸会なんてバカげてる」なってことも言っちゃったり・・
でも、マリラがずっと1人でいるそのエピソードをマシューによって明かされたとき、本来のマリラがどんな人なのかすぅと見えてくる。
最後のシーンで木村さんのマリラがアンとのやり取り、アンがマリラの型を優しく覆う瞬間、ふぅと穏やかな顔になります。
堅すぎるくらいガチガチの人生を送ってきたマリラ、
ずっと昔に忘れていた「愛すること」が、ここで蘇ってくる。
最後のあのシーンは涙なしでは語れないです。
もう、ボロボロ泣いた。(涙・涙・涙)

そして、なんと言っても日下さんデス。
もう、何も言えません。
次から次へとポンポン喋るアンに、
「あの・・は、いや、そ・・・の、????」
口数の少ないマシュー役の日下さん、私たち観客は不思議な日下オーラに包まれ、あの独特な世界へ引き込まれて行きます。
「それ・・・が、その・・あれが、なにおして、その、イヤ、いいじゃないかっ。」
オタオタと話すマシュー。
「日下節」と言うんでしょうか。
私の真後ろのオバチャンに大ウケ。
「ぱぁ、パっ、パァっ、パっ・・パパ[m:57]」

「パリの香水?品切れなんです[m:72]」

「いやいや、パフスリーブだよ」と、最後まで言われず、
「ぱしゅ、ぱしゅふりーズっ」
(笑)
後方で、親子で観ていたと思われる観客がドっと沸いた。

ラストシーンでは、また違う「日下節」が、自由劇場にいた全ての観客の涙を誘う。
「全部のロマンを無くすんじゃないよ。ほんの少し残しておくんだ・・」
ダム決壊です。
堤防を越えて溢れ出る涙・・・。
私だけではなく、あちらこちらから、ズズっ~。
たまらない、言葉。
女性がニガテで無口なマシューが、ポツリポツリとアンに語りかけますが、日下さんマシューのひと言ひと言が私たちの胸をグっとつかみ、観客全員日下さんに釘付け。

私みたいなアマチョロい人間が、日下さんのコトを分かったように話しちゃって、
日下さん、すいません。メンナサイ。
人間としてもまだまだ甘い私が日下さんのようなすごい俳優さんのことを軽々しく話すものではないけれど、「日下さんの魂に揺さぶられました」と言う事をお話したかったんです。
日下さん、木村さん、
お2人の役者魂には、本当に感銘します。
すばらしいデス・・。

今週、また東京へ言ってアンを観ますが、
伸び伸びと元気なカスミンと心に癒しを与える由衣さんの歌を聞きたい。
そして、日下さん木村さん、
もう一度、お2人の「職人技」とも言える演技を堪能しようと思います。

准一郎ギルバートや、山西ダイアナのことも書きたかったけど、
この日記が満タンになったので、次のアンサンブル編に入れます。
必ず。

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