2009年7月4日土曜日

昭和三部作


6月に「李香蘭」、7月に「異国の丘」を観劇しました。
ミュージカルというと、やはり娯楽性が高く、「美女と野獣」や「ウィキッド」など、大掛かりな舞台装置と煌びやかな衣装といった視覚的にもハデさがあって、観終わったあと「楽しかった~」と言えるものがほとんどだと思います。
しかし、四季のオリジナルミュージカルの中でも昭和三部作は、けして楽しいと言えるものではありません。
「異国の丘」では、政治的な背景も強く、秀隆や愛玲達の背後にそれぞれの国家の存亡がかかっています。
また、「李香蘭」では、一見、軍国主義の日本と娯楽産業はベツ腹のように思えるけれど、

『運命にもてあそばれて、自分の道 見失った。迷いつつ、生きてきた 私の罪・・・』
 
李香蘭が上海軍事法廷のシーンで歌っているが、華やかな世界の中にも戦争の影が付きまとい、結果的に戦争に加担してしまうこととなった人生を悔やみ、大きな罪をおかしてしまったと切々と歌い上げている。
何回観ても、胸にぐっときます。
この秋には、「南十字星」も上演されます。
スケールの大きなミュージカルも良いですが、半世紀前の社会通念がどうだったのか・・・。
この三部作を通して「昭和」を勉強してみるのも良いと思います。 
 
次回は、最新作「春のめざめ」についてしゃべります。
 

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