2009年7月6日月曜日

SPRING AWAKENING~春のめざめ~


6月13日(土)、最新作「春のめざめ」を観てきました。
デリケートな世代を題材にしているだけに、開幕前から大きな期待をしていました。
舞台を観る前にCDを買い、フランク ヴェデキントさんの原作も読み、予備知識をしっかり頭に叩き込んで事前準備は万端でした。
まず、舞台の感想を述べる前に、CDを聞いた感想と原作についてしゃべります。
音楽については、ほしんどロックなので、聞いていてもミュージカルの曲を聴いている感じはしません。ロック音楽として聞いてもなんら違和感がありません。
ロックといっても、どこかアコースティックな曲だったり、フォークソング系だったり、聴きやすい音楽です。
また、原作については、本の中身が「戯曲」なので、台本みたいに書かれています。最後の解説文まで一気に読めちゃいました。
しかし、読み進むうち、胸が痛くなるほどの襲撃的な事件や、まさかベンドラまでが・・・。
あまりにも、重いストーリーに涙が出そうになりました。
本を読んで、涙することなんてほとんどありませんでしたが、イルゼが父親から性的虐待ともいえる、激しい仕打ちをうけ、家には帰らず三流絵描きたちの所を転々とし快楽のおもちゃにされ、おまけに「酒」や「ドラッグ」に手を染めてしまっている。
それでも、彼女は大人の社会に縛られることなく、気ままに生きている。
そんな、エピソードが次々に出で来るお話が、果してミュージカルになるのか、日本の社会にどれだけ受け入れられるのだろうと、初観劇の日がとても待ち遠しくなりました。

そして、その日がやってきた。
劇場に入ると、普段とは違う雰囲気で、劇場のスタッフはいつも制服姿で入り口に立っていますが、今回は「春のめざめ」のTシャツ姿。めったにないことです。
客席に入ると、自由劇場の狭い空間の中に、建物の内とも外ともとれる不思議なセットが・・・・。
とても目を引く舞台装置がお出迎えしてくれました。
いざ、本編が始まると、トリハダがたち、体が動かなくなってしまい、「なんなの、これ・・・って。我々大人ってこんなに愚かだったの・・・・」若手の俳優さん達のあまりに熱い歌と演技に驚嘆するのと同時に、胸が締めつけられるような思いにしばらく硬直してしまいました。
もう一つ、驚かされたのは若い俳優さん達のほかに二人のベテラン俳優さんに驚かされてしまった。
原作には、メルヒオールの両親やベンドラのお母さん、学校の先生などいろんな「大人」たちが出てきますが、舞台の中では「大人の男性、女性」と言うくくりだけで、衣装も変えず、舞台のセットも転換なしで、劇中何回もさまざまな役をコンバートしていくのを観て、「この俳優さんたち、すごい、どうやって切り換えているんだろう。」   
ベテランならではの、神業に終始驚かされっぱなしでした。
だいぶ、長々としゃべり続けましたが、衝撃の舞台であったことは確かです。

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