2010年4月26日月曜日

春のめざめ観劇日記~メルヒオール&モリッツ~

観劇日記パート2です。
今度は、メルヒやモリッツを中心に書こうと思います。
このお話に出てくる14歳の少年少女たちは、様々なところで、大人社会との壁にぶち当たり、キレそうになります。
そして、心を病み、思い悩みながらも一歩ずつ歩もうとします。
どんな大人になるかの分岐点でもあります。
男の子達の1人モリッツは、モヤモヤに悩まされ、どうしようもない日々が続きます。
朝まで「起きていた」そうですから・・・

モリッツはそのモヤモヤのことをメルヒオールに話すと、彼は10頁もあるメモを作り、モリッツへ渡します。
その中身というと、私たち大人はビックリもしないでしょうが、このくらいの男の子たちにはかなり刺激的な内容。(イラスト付きだし)
このメモの存在が後々、ある事件を引き起こします。
一方、メモの作成者でもあるメルヒオール君、彼は、とても頭が良くって自分の考えをちゃんと持っています。立派デス。
授業中に居眠りをしちゃったモリッツを、助けようとした際、メルヒが先生にて自分なりの考えを言うんですが、先生はガンとはねつけてしまいます。
全く、聞こうとしない・・・。
・・・・・・・・・・。
メルヒオールは、それでも「先生、お言葉ですが・・」とさらに食いつきますが、先生は聞く耳もたず。
何なのヨ!この先生は!とつい声をだしそうになります。
どうして、そんな否定な態度をとるんでしょうか?

モリッツ君という少年、私は彼のような人間は大好きです。
素直で、純朴で、ちょっとドジだけど憎めません。
イイ子です。
そんな彼のお父さんというと・・・ヒドイ。
原作を読むとモリッツのお父さんは「金利主義者シュティーフェル氏」と表現されています。
「金利主義者」というくらいなので、どうやらお金持ちで「富裕層」のようです。
モリッツは、落第して学校を退学してしまいます。そのことをおっかなびっくり父親に打ち明けようとした時「もっ、もしもボクが・・もし仮にボクが落第した・・」と全てを話しきらないうちに彼の父親は、「落第!?、私の息子が退学かっ!!」
バチっバチっ
父親は、モリッツの頬を叩き、「一族の恥だ」とも言われてしまう。
ちょっと、まだ話終わってないでしょーが!!
私の手に思わず力が入る。
なぜ努力を認めず結果だけで全てを判断してしまうんでしょう。
モリッツは、一生懸命がんばったはずです。
努力したけど結果が伴わなかっただけ。
一生懸命にやったことをどうして褒めないのか解かりません全く。
モリッツはこのことが原因で自らの命を絶つことになってしまいます。
最悪です。
モリッツの死は、メルヒオールたちに大きな衝撃となりました。

今もそうだけど、結果だけをみて全てを決めてしまう大人達って多いですね。
結果がどうあれ、まずどうしてそうなったかの原因を突き止めるのが大事なはず。
時に新しい発想や考えも取入れなければ、先に進まないコトだってある。
春のめざめでは、そんな現代社会に生きる人間の粗も描いているので、こういう人間になっちゃイカンて思いながら観てました。
メルヒオールもモリッツも、大人から見れば社会的弱者なので、ほんとは、大人として彼らを導いていかなくちゃならない。
なのに、圧力をかけてしまうのはなぜなのか。
社会人として若者達の手本にならなくてはと痛感してしまう舞台でした。

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