2010年4月26日月曜日

春のめざめ観劇日記~マルタ&イルゼ~

2010.4.24(土)マチネ

春のめざめは、昨年の9月以来の観劇。




とてつもない若者達の慟哭をジンジンと感じ、胸が張り裂けそうでした。
去年、初演を観た時も、メルヒオールたちの叫びに、胸をしめつけられ、あふれる涙を押さえられなかった。
今日はマルタとイルゼの2人にやられました。
2人とも父親から虐待を受けています。
マルタは、毎日のように「ハパに殴られる」
イルゼはイルゼで、性的虐待のようなことを父親にされ、たまらず家をでてしまう・・・。
この2人を見てると、胸がえぐられそうです。
マルタとイルゼがの2人が「秘密の夜」を歌いだすと、涙がどんどんあふれてきて止まらなくなってしまった。
親からうけた行為によって自分達のどんどん壊れていく・・・
そんな内容の歌です。
マルタ役の撫佐仁美さんは、目に涙を浮かべながら辛くてたまらない心情を、力いっぱい歌っていました。
その隣で一緒に肩を組みながら歌っているイルゼは、ちょっと冷ややかな目で遠くを見つめて歌ってます。
打ちひしがれた空っぽになった感情をイルゼ役の勝間千明さんは、切々と歌っているようでした。
イルゼは、他の女の子達よりもちょと大人びているせいか、クールなイメージ。
昨年はマルタ役でしたが、今回はイルゼ。
私は、イルゼ役は勝間さんにぴったりのような気がします。
大阪ウィキッドでネッサ役を経験したことが、ステップアップにつながったのかもしれません。
とにかく、彼女のイルゼに目を引きつけられました。
マルタは毎日のように虐待を受けながらも家に帰っていきますが、イルゼは、何日も家に帰ることなく、芸術家の溜まり場に行っては、酒とドラッグにおぼれる日々を送っている。
マルタはマルタで家には自分の居場所が無いのに家に帰る。
彼女にとっては、「帰って寝るだけ」のための家。
外へ出てしまったらいくところがない。
だから家にかえるんだろう。
イルゼは、家に帰るくらいなら、外へ出たほうがいいと見切りをつけ、外泊生活。
でも、イルゼは寂しくてたまらなかったんでしょう、きっと。
森の中で、絶望の淵に突き落とされてしまったモリッツにであった時、しきりに、「家に来ない?」「一緒に帰ろうよ」「せめて、家まで送ってよ!」とモリッツにせがむところをみると、いつも一人ぼっちで寂しかったんだナと思う。
私は、この2人を通してまともじゃない大人の実態が見えた気がして、ぞっとした。
今の大人達がどれだけクサっているかが・・・。
今回は、自分の心がマルタとイルゼの2人に入ってしまい、頭からはなれません。
こうして日記に綴っている今も、2人のことが気にかかってしかたありません。
これからどうなるんだろう。
日記を書きながら何度も涙ぐんでしまう。
マルタ、イルゼ、
あなた達を何とか助けてあげたい・・・
けど、どうしたらその孤独から救ってあげられるのだろう。

胸が押しつぶされそう・・・・・・・・・・・・。

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