2011年1月9日日曜日

エビータ(2011.1.8)雪のアルゼンチーナ

この2日間、ほとんどドカ雪。
タイヘンな週末です。
2日続けて除雪をしたので体中が筋肉痛でギシギシ言ってます。

そんな寒くてたっぷり積もった雪の中を、北海道四季劇場の杮落とし公演「エビータ」を見に行ってきました。
オープン初日と言うこともあり、劇場の中には北海道内の各放送局や新聞社などの取材陣がたくさん。
四季の社長さんや北海道知事の姿もあり、何人かの俳優さんの姿も目にしました。

劇場の雰囲気は、以前あったJRシアターとは質感が違い、重厚感たっぷり。
東京の春・秋劇場のようです。
場内の係員の制服も東京の劇場スタッフと同じような感じでした。
ただ、2階席がないのでどうなのかな?と思いましたが、後方から12列目までの階段状の段差というか傾斜がほどよいので、最後尾からでもよく見渡せそうです。
モギリは、QRコード式のスマートチケット対応。
とんどの仕様が東京の劇場と同じようです。

では、今日の感想とキャストについてお話します。
初日のメンバーは以下のとおり。



エビータ  野村玲子  チェ    芝 清道
ペロン   福井晶一  マガルディ 渋谷智也
ミストレス 高木美果

男性アンサンブル

菊地 正   石野喜一  朝隅濯朗
岩城雄太   川東優希  浜名正義
中村 巌   小野功司  渡久山 慶
佐久間 仁 真田 司   神永東吾
平山信二   光山優哉    玉真義雄
田島康成

女性アンサンブル

荒木美保  平田曜子  大橋里沙
真 優香   宝生 慧   小川飛鳥
山本志織  大村奈央  加藤あゆ美
大槻純子  木許由梨  菜月ちな
桜野あら   柵木あゆ美

アンサンブル陣は、京都公演のときと若干変わっているようです。
メインキャストについては、福井さん以外京都公演から引き続き
芝さんや渋谷さんが務めていました。


高木美果さん(ミストレス) 

ジーザスやオペラ座の怪人などで目にする方ですね。
本当にきれいな声です。
ミストレスは劇中ワンポイントだけですが、
けなげに「スーツケースを抱いて」歌う高木さん、ひとぼっちになる寂しさを切々と歌い上げていました。


渋谷智也さん(マガルディ)

いつ聞いても独特な歌声してます。
渋谷さんのマガルディは今年の東京エビータ以来でした。
いろんな役をこなすマルチな俳優さんです。
以前ペロン役の時もありましたけど、渋谷さんにはマガルディの方がいいですね。
個性的な歌いまわしなので、聞きようによっては耳に残ります。


芝 清道さん(チェ)

芝さん、どこへ行っても大人気。
私の地元でも芝人気は高い。
ユタ(ゴンゾ)、李香蘭(杉本さん)、JCS(ユダ)。
芝さんもレパートリーがいっぱいあるので、どんなコトでもできちゃう。
去年の9月に見たタガーは、愉快すぎて芝さん壊れちゃった(笑)かとおもいましたが、無精ひげの芝チェやっぱりかっこいいです。
チェはワイルドさもあるし野性的な印象もあるので、芝さんがチェをやると本物っぽくも見える。
いつも思うんですが「観客へ与えるインパクトが大きいナ」と感じます。


福井晶一さん(ペロン)

まさか、ここで福井さんのペロンに出会えるとは思っていなかったので、いつも以上に大きな感動を受けました。
今井清隆さん、下村さん、渋谷さん、金田さんなど、何人かのペロン見ましたが、福井さんのペロン一番ピッタリ。
今井さんも恰幅の良い俳優さんなので雰囲気はよかった。
でも、福井さんのペロンは風格も威厳もあって、堂々としてて、素晴らしい。アルゼンチンの軍服がすごく良く似合いました。
そして、ボリュームを絞りたくなるくらいの声量があるので、体にドシンと振動を感じます。
こんなにどっしりとした感じの福井さんて初めて目にしました。
WSSのトニーやキャッツのタガー、マンカス、ビーストなどとは、全然違った分雰囲気の福井さんでした。
一緒に見ていた友人が「南十字星の保科とか、将来、ファントムもいけるんじゃ・・。」
その姿を予感をさせる「威風堂々」とした福井さん素晴らしいのひと言デス。


野村玲子さん(エビータ)

野村さんが北海道の舞台に立つのは、かなり久しぶりです。
ここ数年はストレートプレイ中心ということもあるので、地元で野村さんを見ることはありませんでした。
久しぶりに地元での舞台に、緊張も懐かしさもあったことと思います。
野村さんは北海道の中でも豪雪地帯の出身なので、真っ白けになった風景懐かしかったんじゃないかな・・。
(でも、この2日で降った雪は多すぎ)

去年の2月の東京公演でエビータを見た時は、秋エビータの美しさと完璧な演技と歌に大感動しました。
ただ、野村エビータはもう見れないかと残念な思いもあった。
今回、ここで野村さんのエビータを見れそうだとわかった時は、嬉しかったですね。

野村さんのエビータは流石です。
思い入れも強いエビータ、こん身の演技でした。
舞台人として、出せるエネルギー、技術、それまでに培った知識全てを、
全身で表現していました。
ラストの「エバのラメント」では、このまま本当に死んでしまうんじやないかと思ったくらいの「瀕死のエバ」に、目頭が熱くなり、「死なないで!」と叫びたい心境にもなった・・。

もの凄い覇気が感じられる野村さんだった。

ただ、見ていて胸が痛くなるところもあり、かつての野村さんは、どの音域も軽々と出ていましたが、
現在は、低めの音域がほとんど出ず、音が割れるような感じ・・。
高い音は、まだいけそうでしたが、見ていて胸が詰まりそうだった。

ですが、満身創痍であることを承知の上で、エビータに挑んでいる野村さんには、舞台人の意地・プライド・熱意をバリバリと感じました。
限界ラインを超えかかった状態でも、熱のこもった演技ひとつひとつに野村魂を感じます。

カサ・ロサーダで歌う「共にいてアルゼンチーナ」は、まるで神様のような光を放ち、劇場全体がその光につつまれ、観客が野村さんのエビータをじっと見つめています。
本物のバルコニーの下に群る群衆になったような疑似体験をしたみたいな気分。

カーテンコールの時、ローブデコルテに身を包んだ野村さんが舞台にでてくると、歓喜の拍手が劇場中に響いた。
今までに聞いたことのない拍手の音と空気の揺れ・・
私は、涙が出そうでした。


生れて初めて行く杮落としだったので、終演後も不思議な感じでした。
ピカピカの劇場って、何もかもが輝いて見えるんですね。


エビータを観劇後は、友人とオフ会。
その後は、いつものミューカラとなり、1日中エビータと四季のオタ話に花が咲き尽きることはなかった。

いろいろな意味で忘れられない冬の1日でした。

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